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 不動産の所有者が亡くなった場合、相続を原因とする不動産の名義変更が必要となります。

 相続が発生して不動産を取得した場合は、その権利を登記によって確定しておかないと将来的に相続人同士でモメてしまう可能性があり、そうした事態を避けるために不動産の相続登記を行なう必要があります。

 また、遺産分割協議により通常の法定相続分とは異なる相続分の不動産を相続したときは、きちんと相続登記をしていなければ第三者に「この不動産は自分のものだ」と主張することができません。

 よって遺産分割協議により不動産を相続取得する場合には、相続登記を行なうことが必要となります

 相続登記を行うには、以下参考のように亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本等の取得による相続人の確定等煩雑なお手続きが必要となります。

​相続財産確認シート

遺産分割

​遺産分割協議

​遺産分割の流れは、遺言があれば遺言に従い、なければ相続人間での協議で定めます。それでもまとまらない場合は、家庭裁判所での調停・審判手続きもご利用になれます。

民法 参考条文

(遺産の分割の基準)

第906条

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

遺産分割の協議又は審判等)

第907条

1.共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。

2.遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。

3.前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。

遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)

第908条

被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

遺産の分割の効力)

第909条

遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

​遺産分割の方法

​第1 指定分割

​   遺言による分割方法の指定があるときは、それに従って行われます。(民908)

​第2 協議分割

​①現物分割

 個々の財産を分割しないでその現物のまま交付する方法です。例えば土地は長男に、建物は次男に、預貯金は三男にと現物のまま分けていきます。

​②代償分割

​ 共同相続人中の特定の者が遺産中の現物を取得し、その者が他の相続人に対する債務を負担して行う遺産分割の方法です。

​ 例えば、遺産の大部分が土地家屋(2000万円である場合において、これを分割することが困難であるとき又は好ましくないときに長男が土地家屋を単独で相続し、長男が次男に対し、自己の固有の預金の中から1000万円を次男に交付するという方法です。

​③換価分割

 遺産を処分してその代金を分割して行う遺産分割の方法です。遺産は全部であっても一部であっても構いませんが、その遺産を未分割のまま譲渡する必要があります。

​第3 調停・審判分割

​家庭裁判所が関与するお手続きになります。

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